--.--.--(--)

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT  |  スポンサー広告  | Top↑
2010.12.24(Fri)

一風変わった話 

さて、今年のお話です。何とか間に合いました。
ですが、数点ほど注意点があります。


1:多分自重してません
2:かなり深刻な流血事態発生につき苦手な方注意(かなり重要)
3:やっぱり嫁は嫁だった
4:ギリギリの所でR指定入りは回避してます(謎
5:執筆開始が遅かったのと、執筆時間がなかなか取れなかった為、クオリティ低いです



                 冬の争奪戦


「さみぃ…」
時刻的にはまだ午後になったばかりなのにベッドに潜っているのは、例によってリク。
理由としては単純に寒いからなのだが、
「なんでこんな時に限って暖房器具壊れんだよ…ったく…」
現在、リク宅の暖房器具は故障中。
朝テレビで見た天気予報では、この冬一番の寒さと報じられていた。
事実、朝はかなりの冷え込みようであり、暖房フル稼働。
暖房が故障したのはその直後の事である。
そんな訳で、暖を取る為にベッドに潜っていたのだが、
「今日は絶対外に出ねー…誰が何と言おうと外には出ねー…」
ここまでくれば、コイツと付き合いの長い人は何故外に出たがらないのか大体の見当はついてくる。
第一の理由、極度の寒がり。第二の理由、クリスマスイブだから。以上終わり。


「何か腹減ったな…」
普段リク達の食事当番を一手に担っているセリアは、あいにく外出中。
クリスマス用の食事を作るために食材を厳選したいと言って、昼前から既に出かけていた。
「何か冷蔵庫にあったっけかな…」
ベッドから出ると寒さが襲ってくるが、出ないと食事にありつけない為、面倒に思いつつもベッドから出た。
もちろん、防寒も忘れない。
しかし、こういう時に限って、
「何もねぇ…」
冷蔵庫に食材が入ってはいたが、どれも単体ではあまり意味を成さない物ばかりだった。
「セリアは賞味期限までに使いきれるかどうかも計算して買出ししてるしな…ちょうど殆ど使い切ったくらいって事か…」
冷蔵庫を閉めると、心底面倒臭そうに溜息をついた。
「結局外に出るハメになるってか…」


一方のセリアは、街での買い物に集中している状況だった。
「これと…あとはこれも必要ですね…」
昨年の料理にはかなり気合いを入れていたが、今年はそれ以上を目指す事を考えている。
現状に満足せずに常に上を目指していくセリアは、向上心の塊のような思考だった。
会計を済ませ、次の買い物をしようとした矢先。
「!?」
突如、自分の周りの時間だけが止まった。周りを動いていた人々の動きが止まってしまったのだ。
「ここにいたか…」
セリアの前に現れたのは、貫禄のある風貌をした壮年の男性。
「確かあなたは…ヴァレスさん、ですか?」
ヴァレスといえば、先に起こった月の国におけるダークライ絡みの騒動で偽者が出現した、月の国に仕える者だったはずだ。
本物のヴァレスは人間に対しての理解もあり、知識も豊富な、月の国では慕われる存在であり、優秀な魔術師でもある。
「セリア殿と会うのは…しばらく振りになるか」
「そうですね…ご無沙汰しています、ヴァレスさん」
セリアは丁寧に頭を下げる。
「さて…私がここに来たのは、ちと急を要する事があってな。時を止めたのも、貴公以外には聞かれたくなかった為だ。理解いただこう」
ヴァレスの表情は、とても厳しい物であった。
「急を要する事…ですか?」
「うむ。…私の息子、ヴェレスの事だ」
「…?」


「さて…昼飯何買ってくるかな…」
しっかり着込んだリクは、真冬の寒さの中家を出る。
近場までしか行かないため、いつもの剣は自宅に置いてきた。
「!?」
数歩歩いた時、後ろでただならぬ気配を感じ、振り向く。
「お前…」
振り向いた先に立っていたのは、若い風貌男性。リクよりも年上だろうか。
「……誰?」
リクが反応を返すと、男性は呆れた顔をし、
「ヴェレス…名くらいは聞いた事があるだろう」
「ヴェレス…ヴェレスねぇ……」
リクはしばらく考えていたが、
「よく思いだせねーや」
ちなみに、リクが思い出せない事は大概がどうでもいい事だったりしている。
「ならばそれでも構いません。私はあなたに用があって来たのですから」
「用……?」
リクが返した瞬間。
「ええ。……あなたの……命をいただきに」


セリアは家への道を急いでいた。
ヴァレスから聞かされた話で、大きな衝撃を受けた為だった。
セリアがヴァレスから聞いたのは、ヴェレスがリクの命を狙っているという事、日ごろからのヴェレスの残忍さが祟り、発見次第処刑の命令が下っている事、数日前から自らの手で息子に引導を渡そうと、ヴァレスは人間界までヴェレスを追ってきた事。
「早く……早くリクさんにこの事を……」
荷物を気にしながら走るのは辛いが、速く戻らないといけないという思いが勝っていた。
「……!」
セリアの目に映ったのは、血だまりの中に倒れている1人の人物。
見間違いでなければその人物は、
「そ…んな……リク…さ……」
見間違いであってほしい。しかし、特徴も全て一致している。
「…! いけない…早く治療を…」
セリアが治癒術を掛けようとした時、
「セリア…? 一体何を…」
後ろから聞こえてきた声に振り向くと、フィアが立っていた。
「フィアさん! 大変なんです! リクさんが……リクさんが……!」
「ちょ、ちょっと落ち着きなさい! リクがどうしたですって?」
セリアの後ろをフィアが覗き込む。
「……!?」
思わずフィアは口を手で覆う。
「どういう…事よ……」
「分かりません…私が帰って来た時には既にこの状況で……」
「とにかく、応急処置だけでもしないと…治癒術を掛け……」
そこまで言った時、セリアはフィアの表情から血の気が引いていくのを見た。
「フィア…さん?」
セリアが恐る恐る尋ねる。フィアの唇が震えていた。
「……い」
「えっ……?」
「息が……ない……」
「あの……フィアさん……今、なんと……?」
「もう……息がないって……」
「そんな!」
セリアは自分の服や手が血で染まるのも構わずにリクを抱きかかえ、
「どうして!? どうしてリクさんがこんな目に!? ねえ、目を覚まして! 目を覚まして! リクさん!!」
「セリア、落ち着きなさい! もしかすると、リクをこんな目に合わせた張本人がまだ潜んでいるかも知れないわ」
「これが落ち着いていられますか!? 彼は……リクさんはもう戻ってこな……」
大粒の涙を流すセリアがそこまで言った時、フィアの平手がセリアの頬を叩いた。
「落ち着きなさいって言ってるでしょう!」
「……!」
「それに…息がないからといって、まだ諦めるんじゃないわよ。それは…この状態で生きてる可能性なんて、ないかも知れないけど…とにかく治癒術を掛けてみるしかないわ」
「は…はい……」
セリアとフィアが治癒術を掛けようとしたその時。
「無駄ですよ……彼はもう立ち上がれない。そう…二度と、ね…」
過去に聞き覚えのある声。この声を聞いた時、フィアは確信した。
ゆっくりと立ち上がり、声のする方を振り返る。
「…出たわね。張本人」
「そこに倒れている彼が邪魔だったのでね。しばらく眠ってもらったのですよ。…いや、しばらくではなく、永遠に、ですか」
「……っ!」
フィアは一気にヴェレスに近づく。既に剣は抜かれていた。ヴェレスが大きな鎌で受け止める。
「妙ですね。あなたは彼に対してはぞんざいな扱いをしていたはず。怒る理由が分かりませんね」
「……私が全然分からないのは、そんな事平気で言えるそっちの方よ」
フィアは剣に力を込め、ヴェレスを押し返す。
「…確かにそっちの言う通り、ぞんざいな扱いしてたかも知れない。けど……」
真っ直ぐにヴァレスを見据える。同時に、雫が頬を流れ落ちた。
「私の仲間を! 友を! こんな目に遭わせるなんて、絶対に許さない!」
フィアは一気にヴェレスに近づき、攻撃を繰り返す。
「セリア! リクをお願い!」
「は、はい!」
セリアはすぐに治癒術を掛け始める。
「させるか!」
ヴェレスが治癒術の対象であるリクにさらに攻撃を加えようとするが、
「2人には…指一本触れさせない!」
フィアがすぐさま守りに入る。
「そもそも……リクを狙う理由がさっぱり分からないわ」
「簡単な事…邪魔だからですよ」
「だから、何故邪魔なのかが分からないのよね」
ヴェレスは「フッ」を息を吐き、
「まぁいいでしょう。どの道あなたも彼の後を追う事になるでしょうから、冥土の土産に教えておきましょう」
ヴェレスは距離を取ったが、フィアは警戒を緩めない。
「理由は……」
鎌をゆっくりと上げ、対象を指し示す。その先には。
「えっ……?」
ヴェレスが指差した先は、リクに治癒術をかけているセリアだった。
「セリアが理由…ですって……?」
「そう……幼少期には既に、将来の婚約者として既に決まっていたのですよ」
「そんな……私はそんな話は一度も……」
「時期が来た時に話をすると予め決められていたのでね」
「それ以前に、私は承認しては…」
「では聞きますが、幼少から身寄りがなかったあなたに、断る事が出来ましたか?」
「それは……」
ヴェレスは倒れているリクに目をやり、
「このままいけば、確実にあなたは私の物となっていた……だが、予想していなかった事が起きた」
「…なるほど。セリアがリクと出会ってしまったって事ね。けれど、その理屈でいくなら、彼をこんな目に遭わせたのは、単なるそっちの逆恨みでしかないと思うけど?」
「逆恨みとは心外な。私は憎むべき人間の手から、彼女を取り返そうとしているだけ。誇り高き月の国の者が、人間と時を過ごしているなど…」
ヴェレスがそこまで言った時、
「ここまでの会話、全て聞かせてもらった」
「!?」
「やはり貴様には、言っても分からぬようだな」
「父上が、何故…」
現れたのは、ヴェレスの父ヴァレスだった。
「貴様には、月の国から発見次第処刑の命が下っている。…貴様の残虐振りには呆れ果てているのでな。さらに」
ヴァレスはヴェレスを睨みつけ、
「人間を憎むなど言語道断。調和を図るという月の国の方針、知らぬとは言わせんぞ」
「父上こそ、人間はこの世から滅ぶべきと何故理解していただけないのです!?」
「確かに、人間には悪い者もおる。それは認識している。だが」
ヴァレスはフィア、倒れているリクを順に見、
「この者達のように、真っ当な心を持つ者もいるという事だ」
ヴァレスは次にセリアに目をやり、
「そして、たとえ貴様が幼少の頃にそのような約束をしていたとはいえ、強硬手段を取るなど、不届きにも程がある。恥を知れ!」
ヴェレスを一喝したヴァレスはセリアに向き直り、
「その青年の状況はどうなっておる」
「治癒術を掛け続けてはいるんですが…」
(この出血量……かなり傷が深いようだな)
ヴァレスはセリアに近づくと、
「代われ」
今度は自身が治癒術を発動し始める。しばらくして、
「……ぅ……」
小さく呻く声が聞こえてきた。
「リクさん!?」
「セリア殿、落ち着け。まだ治癒術の途中だ」
「す、すみません……」
「……。傷は治した。だが、出血が酷かったせいか、恐らくはまだ起き上がれまい」
「じゃあ、リクさんは……!」
「生きている。相当危険な状態だったがな。しかし、あれだけの傷を負って生きているとは、大したものだ」
「案外しぶといのよ、彼は」
フィアが言った。
「……まぁな」
かなり小さい声だったが、確かに聞こえる。
「こう見えてもオレはな……意外としぶといんだよ……!」
リクが立ち上がろうとするが、大量に出血をしていた為か、ふらついてうまく立てる状態ではなかった。
セリアがすぐさま支える。目からは涙が溢れていた。
「よかった……よかった……!」
「なるほど……意外と一筋縄ではいかないようですね」
ヴェレスは何か考えているようだったが、
「では父上、こうしましょう。私と戦って、勝てば処刑を受け入れましょう。ただし、戦うのは……」
指を指した先にいたのは。
「卑怯よ! 手負いの相手を指名するなんて!」
フィアが叫ぶ。ヴェレスが指し示したのは、自力で立つ事もままならないリクであった。
「そもそも私の目的は、彼女の為。私が勝てば彼女をものにできる。ないと思いますが、人間が勝てば、月の国の決定どおり、結果的に私の処刑が成り立つ。公正ではありませんか」
「だからって、手負いの……」
フィアがそこまで言うと、
「……やる」
セリアに支えられながら立つリクが小さく言った。支えられながらでも立っているのが辛いのか、肩で大きく息をしている。
「無茶よ! 傷が治ったとはいえ、あなた出血が……」
リクはフィアの方は見ず、
「殺しは性に合わねー…けど、オレをこんな目に遭わせた落とし前だけは付けさせてもらわねーとな。それに……」
半分ほどが血で染まった顔でヴェレスを睨み、言い放つ。


「こんなどうしようもねーヤツなんかに、セリアを渡せるか」




10メートルほどの距離を置いて、2人は対峙する。
「お得意の二刀流は使わないのか」
ヴェレスが言う。リクが持っているのは、普段は左用の剣だけ。もちろん左手で握っている。
「テメーみてーなどうしようもねーヤツなんて、利き腕使うまでもねーっつーの」
「その減らず口…後悔するぞ」

「ちょっと確認したいんだけど…」
フィアがセリアに耳打ちする。
「あのヴェレスって…強いんでしょう?」
「はい……以前戦った偽者は術はともかく鎌の扱いは単調だったそうですけど、本物は術も鎌も相当の使い手です」
「そんな相手に利き腕じゃない左だけで戦うなんて…無謀にも程があるわ」
「リクさんは……利き腕を『使わない』のではなく…『使えない』のかも知れません……あの攻撃で、利き腕もダメージを受けていたとしたら…」
「…まさか、あのヴェレスは……リクが起き上がる事も予め可能性のうちの1つとして予想して利き腕も……」
「その説が濃厚でしょうね……」
「どこまでも卑怯なヤツね……」
「でも……嬉しかったです」
「嬉しかった、って…何が?」
「リクさんが『私を渡さない』と言ってくれた事が、です」
「そうね。彼にしてみれば、あなたがいなくなったら食事当番が欠けてしまうものね」
フィアは冗談交じりに言った。
「食事は…ただ単に、私が好きでやらせてもらっているだけですから……」
「得意だものね。料理」
「はい……今日は腕によりをかけて作ろうと考えていたんですが…こんな事になってしまって…」
「…基本的にはね、リクが『ほぼ無敵』になる条件って、2つあるのよ」
「え?」
「1つは、無理矢理起こされた時の寝起き。もう1つは、食絡み」
「でも、今回はどちらにも当てはまっていないと思うんですが…」
(……私が見るに、3つ目の条件が出来上がりつつあるみたいね)


「さて…すぐに終わらせて差し上げましょう…」
「……」
先ほどからリクは、黙ってただヴェレスの方を睨んでいるだけ。
「いざ!」
ヴェレスが大鎌を構えて駆け出す。リクも左手の剣を握りなおし、
「おらぁぁぁぁぁぁっ!!」
投げた。
剣は勢い良く飛んでいき、ヴェレスの体に突き刺さる。
「ぐうっ……!?」
「……」
「……」
フィアとセリアは呆気に取られていた。
「ぐ……剣を投げるなど……卑怯な……!」
「待ち伏せしてオレをいきなり攻撃したバカ野郎の言うセリフじゃねーだろ」
少しふらつきながらもヴェレスに近づき、刺さった剣を引き抜きながらリクが言った。
そのまま振り返り、ヴェレスから離れていく。
「……何故止めを刺さぬ」
黙って事を見守っていただけのヴァレスが口を開いた。
「…悪ぃな。やっぱオレには殺しは性に合わねーや。このくらいにしといてやるから、後はそっちで勝手にやってろ」
軽く手を振ってから、
「……」
倒れた。




見慣れた天井が視界に入ってくる。
「……オレの、部屋……」
誰かが運んできたのだろうか、目が覚めた時にはオレはベッドで寝ていた。
「……?」
起き上がれない。体に力が入らなかった。
(当然か…あれだけ血が抜けたらな…)
オレはあの時……昼飯を買いに行こうと外に出た時、丸腰で外に出たのを酷く後悔した。
最終的にはヴェレスを退ける事には成功したが、すぐに気を失ったからよく覚えていない。
あの時は、何だかよく分からないけど、戦わないといけない気がしてた。
特に特別な考えとかはないけど、とにかく、あのヤローだけにはアイツを渡しちゃいけないって感じた。
誰かの為に行動した経験が、オレには全然ない(まぁ、無意識のうちにという事ならあったかもしれないけど)。
取りあえず、今言える事。体が重い。そんだけ。


本来なら、今日は私が腕によりを掛けて料理して、リクさんや、彼の手持ちのみなさんと一緒に過ごすつもりでした。
でも……こんな事になってしまうなんて、全く予想できませんでした。
リクさんが命を狙われていて、そして襲撃を受け、生死を彷徨った……
ヴァレスさんの治療で幸い一命を取り留めたとはいえ、かなりの量の血液が体から抜けている為、絶対安静だそうです。
少なくとも、今日は起き上がれないのでしょう。
それよりも気になったのは、あの時の言葉……
確かめたい。その気持ちが、今の私の心の中を占めていました。

「あの……」
私はドアを数回ノックしてから、リクさんの部屋に入りました。
「なんだ……?」
リクさんの声は、普段の声に比べて明らかに弱いものでした。
やはり、あれだけの量の血液が抜けているという事は、かなりの痛手になっているようでした。
「その……具合の方は……」
「いくらかマシにはなったけど、やっぱまだキツい」
私の方は見ず、天井を見つめながら答えました。
「……ところで、あの鎌持ったヤツはあの後どうなった」
「あの後、ヴァレスさんが月の国に連れ帰りました。…聞いた話ですと、既に処刑されたそうで…」
「そうかい。で、お前、用件はそれだけか?」
「い、いえ……それだけではなくて…その……」
「なるべく早くしてくれ…まだ体の調子が戻ってねーんだ…」
私は意を決し、
「その…う、嬉しかったんです」
「何が」
「対決する時に言ってくれた……私を渡さない、という言葉がです」
「……言ったか? そんな言葉」
「はい…! 私…すごく嬉しくて…」
「……」
リクさんは何やら考えているようでした。
「あの時は…正直言うと、立ってるので精一杯だったから、何言ったかとか全然覚えてねーんだ」
「でも…これは私個人の見解ですけど、その時の目……真剣でしたよ」
「あっそ…」
対応は素っ気無い物でした。でも…
「そういえば…今年のプレゼント、まだお渡ししていませんでしたね」
「できれば後にしてくれ、こんな状態だし」
「いいえ。…今でないと、ダメなんです」
私はリクさんのベッドに近づくと、
「すみません、ちょっと入りますね」
「!?」
驚くリクさんでしたが、私は気にせず、
「ここからは…お任せします。どうぞ、リクさんのお好きなように……」
「……あのさ」
「はい」
「…お前さ、どっかで頭でも打った?」
「いいえ…特に何も……」
私が返すと、リクさんは私に背を向けて何やら呟いていました。
「ダメだこいつ……早くなんとかしないと……」
「そんなに心配しなくても……大丈夫です、多分誰も来ませんから…」
「やっぱりダメだこいつ……」
あまり良い印象ではないようですが…本気で嫌なのか、ただ単に照れているだけなのか、どちらなんでしょう…
「リクさんがその調子だと……仕方ありませんね……」
(お、意外と諦めがいい)
彼は私が諦めたと思ったのか、こちらの方に体を向けました。
……計画通り!
すかさず私は、唇を重ね合わせます。
「!?」
私が目を閉じていても、驚いている様子が伝わってきますが…これだけは譲れません。
私の…精一杯の感謝と、そして……
「……っ!」
我慢できなくなったのか、やや強引に顔が離されました。
「お前…! 去年に続いてなんつー事……」
「私からのプレゼント…だからですけど…?」
「去年言ったハズだぞ、出来れば遠慮してもらいたいって」
「これだけは、譲れないんですが…」
「…非常に反応に困る返答だ」
「ところで…」
きっと、リクさんから見た私の顔は、少し赤かったと思います。
「リクさんからは……何かあったりはするんでしょうか……?」
「そう言われてもな…去年の前科があるからどうしたものか……うーん、そんじゃどうしてもってんなら、そうだな…」



「嬉しそうね、セリア。何かいい事でもあった?」
郵便物の確認の為に外に出た私は、ちょうどフィアさんと出くわしました。
「はい。私にとっては、すごく」
「へぇ…よかったじゃない」
「ところで…フィアさんはお出掛けですか?」
「ええ。不意打ち受けて死に掛けたけどしぶとく生き残った人に喝を入れにね」
「そんな事言いながら、相当心配していませんでした?」
私が指摘すると、
「…そ、そんな訳ないじゃない。どうでもいいでしょ!?}
「え、でも…フィアさん泣いてませんでした? そういえば」
「なっ…そんな訳ないでしょ!? 何言ってるのよ!」
でもフィアさん、顔赤いですよ?
けれど、口に出しては言いませんでした。
ですが、本当の所フィアさんは、リクさんの事をどこまで意識しているんでしょう。
普段の様子を見ると、恋愛関係というよりは、立ち位置的には相棒のような感じがします。
きっと、強い仲間意識はあるのでしょう。表に出すのが恥ずかしいだけなのかも知れませんね。


えっ、リクさんからのお返しは何だったのか、ですか?
その…去年とあまり変わらなかったんですが……ランクアップしてましたよ。
それまではずっと…添い寝していました。
…あっ、こうしてはいられませんね。そろそろ皆さんの食事の支度をしないと。
美味しい物を、たくさん作らないといけませんね。



             END




はい、今年のお話は、一風変わった雰囲気で攻めてみる事にしました。
だからといって流血自体を発生させるのはどうかと思うけど((
取りあえず、嫁は自重してません。でもまだ30%くらい嫁にはロックかけてます。
てか、これを全部外すと一気にR指定突入します、あの嫁(ぇぇ


しかし可哀想なのは、事ある毎に酷い目に遭うあのバカだよなぁ。
でも仕方ないです。そういう役回りだから(「ふざけんな!<リク君談>」)。
EDIT  |  STORY  | CM(0) | Top↑

Comment

コメントを投稿する


管理者だけに表示

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。