2011.03.27(Sun)

りくさんがてつやでやってしまいました 

やっぱり何も出来ない(というかやらない)のは嫌だったんで…
無理矢理ホワイトデーを絡めた、華苗ちゃんへの遅すぎる誕生日祝いです((
キャラを借りてはみたものの、じっくりとキャラ把握する時間がなくて、私の勝手なイメージが入ったり
誤認している部分もあるかも知れませんが…まぁそこは勘弁していただきたい。


あ、そこそこ長いので気を付けてくださいませ。



            仕える者同士、仕えられる者同士 -それぞれの想いの行先は-



「困ったな…」
商品が陳列されている棚の前に立ち、悩む。
オレンジが中心の姿をした人物は、並んでいる商品を首を上下左右させながら眺めていた。
「どれを渡せば、彼女は喜んでくれるんだろうか…」
ホワイトデーが2日後に迫ったこの日。彼は女性物のアクセサリーショップを訪れていた。
ウォーリア。それが彼の名前。天井を見上げ、
「こんな事なら、それとなく彼女の好みをリサーチしておくべきだったかな…」
呟きながら目線をまた棚に戻す。すると、
「わっかんねーな…」
おや、と思いウォーリアが顔を声のする方向に向ける。
そこには、今のウォーリアと同じように棚をじっと見つけて悩む人物が。
ウォーリアの視線に気づいたその男は、
「…んだよ」
不機嫌そうに返す。
「おっと…これは失礼。あなたも、お悩みで?」
「アンタには関係ねーだろ」
「これは手厳しいね。あなたも私と同じ悩みを抱いているものと思ったんだけど」
「一緒にすんじゃねーよ。それなら、アンタが何に悩んでいるかをまず言ってみろ。話はそれからだ」
またも切り返しに遭い、ウォーリアはやれやれと小さく呟き、
「先月のバレンタインのお返しを探しに」
ウォーリアが言うと、
「…なんで同じなんだよ、ったく…」
男は小さく悪態をついた。
「おや。この時期に男性が女性物のアクセサリーショップに来る理由で私が考え付くのはこのくらいなんだけどね」
「何か気にくわねー…」
「それで、あなたも私と同じ状況に置かれている者同士という訳だ。贈る相手を喜ばせる為にも、ここは共同戦線を張ろうじゃないか」
「嫌だね」
「おや、ノリが悪いな。相手を悲しませたり相手に嫌われたりしてもいいのかな?」
ウォーリアの言葉に、
「ちっ…」
男は悪態をついた。
「さて、自己紹介が遅れたね。私はウォーリア。あなたは?」
「……リク」
心底面白くなさそうなリクであった。



「ええと…他に必要な物は……」
買い物の内容を確認しつつ、歩く女性。
服装は、メイド服。とある屋敷に仕えている彼女の名は、オードリー。
ふと、目の前のショーウィンドーの前に立つ女性が目に入る。
(綺麗……それにスタイルも凄くいい…そして何よりも…)
その姿は、街を行く人々が通り過ぎる毎に目が向けられるほどだった。
思わず歩みを止めてその女性に見入ってしまうオードリーに、
「?」
オードリーの視線に気づき、こちらを向いてきた。
「あっ……す、すみません!」
オードリーが頭を下げ、その場から立ち去ろうとする。
「あっ、ちょっと!」
突然呼び止められた。やはり気に障ってしまったのだろうか。
オードリーは何を言われるのか不安でいると、
「これ、落ちましたよ?」
優しい表情と声で、1つの木の実を差し出した。
確かにそれは、オードリーが買ったロメの実。
「あ、ありがとう、ございます…」
「……」
狼狽えるオードリーに対して、その女性は声を掛ける。
「何か…お悩みが?」
「えっ?」
心底心配しているような表情で女性が聞いてきたため、オードリーは戸惑う。
「えっ……その…私…///」
「すみません…いきなり見ず知らずの人にこのような事を聞かれても、戸惑ってしまいますよね」
逆に謝られてしまった。
「ごめんなさい、引き留めて。では、私はこれで…」
女性が立ち去ろうとする。
「あ…あのっ…!」
今度はオードリーが呼び止めた。
「その……実は……」



「これなんか、どうだろう?」
そう言いながらウォーリアは、リクにアクセサリーを見せる。
「却下」
リクはあっさりと切り捨てた。
「また却下かい? これでもう80回目だよ」
ウォーリアには次第に、1つの疑念が起こってきた。
「…あなた、選ぶの面倒臭がってない?」
「知るか」
やっぱり。
この返答の仕方は、明らかに面倒臭がっている。
「1つ聞きたいんだけど…あなた、相当な面倒臭がりなタイプかな?」
「別に」
「その返答で私の中ではあなたが面倒くさがりなのが確定したよ」
ウォーリアが「はぁ」とため息をつくと、
「じゃあ、あなたは一体どんな物が買いたいのかな?」
「それが分かれば苦労しねーっつーの」
それはそうだとウォーリアは思ったが、なかなか難しいものがある。
「仕方がない、もう少し探してみようか…」



呼び止められた女性は、首を傾げた。
「その…先月……バレンタインの時の事なのですが……」
オードリーはゆっくりと言葉を絞り出す。その顔は赤く染まっていた。
「私が…バレンタインで渡したロメの実のケーキなのですが…」
「まさか…受け取ってもらえなかったんですか?」
女性が聞くと、オードリーはゆっくりと首を振り、
「いいえ…食べていただいて、美味しいと言っていただけたのですが……」
「…?」
「今でも、時々不安になるんです…」
「不安に、ですか…?」
「あの方は、毎年たくさんの贈り物を、バレンタインの時に贈られているので…私のケーキも、そのうちの1つで…お礼も、社交辞令だったのではないかと思うと…」
「それは…きっとないと思いますよ?」
「えっ…? どうして…」
「あなたが、とても優しい方だからですよ」
女性の言葉の真意が今一つ理解できず、オードリーは首を傾げる。
「私は、あなたが渡したお相手の方が、たくさんの方から贈り物をもらっていても、一人ひとりに、きちんと心からの感謝の言葉を伝えていると思いますよ。そして、あなたを見て、私はすぐにあなたがとても優しい心を持つ人だと確信しました。そんな人から、心のこもった贈り物をいただけるその方は、私は幸せだと思います」
「でも…」
「どう捉えるかは、あなた次第だと思います。けれど、私個人としての意見は、今述べた物です」
「その…私が渡した相手の方は……その……」
「…?」
「私がお仕えしているお屋敷の、お坊ちゃまの……その……」
言葉に詰まるオードリーに、女性は、
「違っていたらすみません。……あなた、ポケモンですか?」
予想外の質問にオードリーは、
「えっ!? どうして……」
驚きと戸惑いの表情を見せる。
「当たりでしたか……私がそう思った理由は……」
女性が言うと、光に包まれ、
『私も、同じだからです』
すぐに人間の姿に戻り、
「ポケモン名、クレセリア。この姿の時は、セリアと名乗っています」
「あなたも…私と同じ……」
「見たところあなたの元の姿は…シャワーズ、でしょうか…?」
「はい…この姿の私は、オードリーという名前なのですが…」
「オードリーさん、ですね」
「話を戻させてもらいますと…お坊ちゃまのポケモンである方なのですが…」
「その方も、オードリーさんと同じような?」
「はい…彼はブースター。ウォーリア様というのですが…」
セリアはここまで聞いて、ほぼ状況を理解した。
「あなたは…そのウォーリアさんに、想いを寄せているんですね?」
セリアが言った途端、オードリーの顔は真っ赤になり、
「えっ……その……私……///」
「でしたら、無理もありませんし、本当に喜んでもらえていたかどうかも、気になりますよね」
てっきりオードリーは、茶化されるのかと思っていたが、セリアからは共感する答えが返ってきた。
「ですが…私はお屋敷に仕える住み込みのメイド長であるご主人様のポケモンですし…私自身もウォーリア様にお仕えする身なので…」
「私は…立場は関係ないと思いますよ?」
「あの…つかぬ事をお聞きしますが…セリアさんも……」
オードリーが恐る恐る聞くと、セリアの表情が少し曇る。
「私は……分からないんです」


結局、しばらく個々で探す事にしたリクとウォーリア。
「……」
1つのアクセサリーを手に取り、じっと見つめていたリクに、
「おや、お気に入りが見つかったのかい?」
いきなり出てきたウォーリアに驚き、危うく手にしていたアクセサリーを落としそうになった。
「オイ、てめっ、いきなり声掛けんじゃねーよ!」
「おや、申し訳ない。それで、どんな物を見つけたのかな」
ウォーリアが覗き込むと、
「へぇ…三日月を象った物だね。贈りたい相手は、月が好きなのかな」
「関係ねーだろ、アンタには。で、アンタはどんな物を」
「私かい? これさ」
「……水を象ってるな」
「彼女は水に関係があってね。迷ったんだけど、これにする事にしたよ」
「ま、オレはこれ以上悩むのが嫌だったからこれにするだけだしな」
「うそつけ。意図があるくせに」
「…うるせーよ、いちいち」
「おや、失敬」


「分からない…とは、どういう事なのですか?」
「『恋愛感情』という物が…どのような物なのかが分からないんです」
セリアの言葉の意味が理解できず、オードリーは困った顔をした。
「それに関係があるのかどうかは分からないのですが…頭が一瞬痛くなって、何かを忘れてしまっているんです」
「その『何か』が、誰かへの恋愛感情だとお考えなのですか?」
「ええ…この所この現象が頻繁で……」
「もしもその現象が、あなたが抱くはずの感情と直結しているものだとしたら…こんなに悲しい物は、ないと思います…」
「ですが…」
セリアは柔らかな笑みを浮かべ、
「恋愛感情を抱く事は出来なくても、その方を仲間として支えていく事はできますから」
「セリアさんって…強いんですね」
「ですが…忘れてしまっている事は、きっと大切な事だと思うんです。それを思い出せないのが…私は怖くて……」
「それで…セリアさんは、バレンタインには…?」
オードリーが聞く。
「私は……1人だけにしか渡しませんでしたが…」
「どのような…方なんですか?」
「そうですね…」
セリアは少し考え、
「面倒臭がり屋さんで、なかなか自分では動こうとはしないんです」
「はぁ…」
オードリーは、セリアがよくそんな人と過ごしていられるなと違う意味で関心してしまったが、
「ですが…」
「?」
「不器用な優しさがあって、結構シャイな所があって、いざという時にはとても頼りになるんです。私個人としては、とても素敵な方だと思います」
「それを聞いてしまうと…セリアさんの好みのタイプがちょっと一般的な物とはズレていると思うのですが……」
「好みのタイプ…ですか? 面倒臭がりな人、でしょうか…それと、あまりにも騒がしすぎる人は好きではないです…」
「セリアさんのような素敵な方が、どうして面倒臭がりな方が好みなのかが非常に気になるのですが…;;」
「よく他の方に分析されるのが、『世話好きな性格が行き過ぎたからではないか』という事なんですが…」
「あの……好みのタイプがあまりにも……と言うよりも思いきり、セリアさんが先ほどおっしゃった、バレンタインに渡した相手の方に合致していませんか…?」
「えっ…?///」
「もしかしたら…セリアさんが先ほどおっしゃっていた、何かを忘れてしまう対象……その方への、恋愛感情なのでは…?」
「……もしも、それが彼への想いなのであれば、私にとっては嬉しい物です。ですが…」
「?」
「あくまでもそれは、私だけが抱く想いであって、彼も私に対して同じような想いを抱いているとは限りませんから…」
セリアは続ける。
「それに、彼が誰に恋愛感情を抱くかは、それこそ彼の自由ですから、私がとやかく言う事ではないと思うんです」
「セリアさんって…本当に大人な意見を出されるんですね…」
「ですが……もしも…そう、もしも彼が特定の誰かに恋愛感情を抱き、その対象が私であったとするなら……私にとって、これ以上幸せな事はありません。…もっとも、私の中から消えてしまう『大切な何か』が、彼への想いであったなら、今度は逆に彼だけが私へと抱く一方通行の想いになってしまうのですが…」
「何と言いましょうか…消えてしまう何かが恋愛感情なのであれば……とても悲しい恋、ですね……」
オードリーの表情も暗い。
「オードリーさんまで気に病む事ではないですよ。これは…私自身の問題ですから…」
セリアはそう言っているが、内心ではとても不安であり、悲しいはずだ。
大切な事だというのは分かっているのに、何が失われているのかが分からないのだから。
「あっ…つい話し込んでしまいましたね……お屋敷に戻らないといけないのでは?」
「えっ…? あ、そうでした! まだお買い物の途中で……」
「私もそろそろ戻らないといけませんね……そろそろ、リクさんの用事も終わる頃でしょうから…」
「リクさん、というのですか? その方…」
「はい。今日もここに来るまでは一緒だったんですが…『用事済ませてくるから2時間くらい適当に見てろ』って言って、どこかに行ってしまって…そろそろ、約束の時間なので、待ち合わせ場所に行かないと…」
「そうですか……あ、セリアさん」
戻ろうとするセリアに、オードリーは声を掛ける。
「はい…?」
振り向いて答えるセリアに、オードリーは笑顔で、
「頑張ってくださいね」
セリアも笑顔を返し、
「オードリーさんも」



「結局、これに決めちまった訳だが」
購入した、三日月を象ったアクセサリーの入った箱を見ながらリクが言った。
「まぁ、あまり悩んでいるときりがないからね。いいんじゃないのかな」
ウォーリアが返す。ウォーリアが選んだのは、先ほどリクに見せた、水を象ったアクセサリー。
「しっかし、こんな単純に決めちまっていいのか分かんねーんだよな…」
「よく言うよ。かなり長時間悩んでいたくせに。あのアクセサリーを手に取った状態で1時間も悩んでいたんだから」
「知るか」
「よほど大切なんだねぇ。贈りたい相手の人が」
「関係ねーだろ」
「おや、お節介だったかな」
リクはそれには構わず腕時計を見、
「やべ、そろそろ行かないと待たせちまう…」
「待たせる? 贈りたい相手をかな?」
「いちいちうっせーっつーの!」
「まぁ、いいけどね。頑張りなよ」
「余計なお世話だ」
それだけ言うと、リクは走っていった。
「さて…私も戻らないといけないな……このアクセサリーも、ホワイトデーまではオードリーに見つからないようにしないとね」


一方その頃…
「はぁ……はぁ……なんなんだよ、アイツは……」
逃げるようにウォーリアから離れたリクは、息を整えつつ、購入したアクセサリーの入った箱を眺める。
「後は、これをアイツに見つからずに当日まで守り通せるか、でもって、当日にしっかり渡せるか、だな…」
そして、呟く。
「喜んで…くれっかな……」


さてさて、彼らそれぞれが贈り物に込めた思いは、どこへ行くのやら……




             END






タイトルの通りです。
Rikuさんが勢いでやってしまいました((
何か書きたいという思いはあって、今日書かないと4月からきっとまた仕事が忙しくなってしまうと思ったので、
深夜のテンションで書ける機会は今しかねぇ!という事で夜中の1時頃から書きはじめ、5時間ほど書けて書いてました。

借りたキャラは、例のブースターとシャワーズ。
ウォーリアをあのバカ野郎と、オードリーをセリアさんと絡ませてます。
オール敬語のキャラはセリアさんで結構慣れてるのでそこまで苦労しなかったんですが、ウォーリアのキャラが少し掴みづらかった;;
何て言うか「ちょっとお節介なお坊ちゃま」なイメージはあるんだけど……
オードリーは、オール敬語のキャラなので、割とイメージはしやすかったかな。
ただ、セリアさんは敬語で話していても表現に若干砕けたものがありますが、オードリーは主人にあたる存在がいるので、
会話にも気を付ける必要があると思ったので、全体的に表現もセリアさんより丁寧になるように気を付けながら書いてました。


で、少しだけ、セリアさんの悲しい状況も織り交ぜてみました。
これについては、今後書きたい話のテーマにもなっているんだけど…書く時間あるかなぁ;;



以上です。感想はご自由にどうぞ。
祝文、遅れてごめんね。
EDIT  |  STORY  | CM(0) | Top↑

Comment

コメントを投稿する


管理者だけに表示

▲PageTop

 | BLOGTOP |