2014.11.03(Mon)

候補だったネタの一角 

書いてみました。
いろいろとおかしな事になってます。
ただ文を読むよりも、状況を想像しながら読んだ方が掴みやすい気がする(ぇ



             アイツがコイツでコイツがそいつでそいつが…誰だ?



「……」
手に取ったまじまじとペットボトルを見つめるのは、リク。
「どうしました?」
「…前科があるアンタの持ってきた物だからイマイチ信用できない」
「前科者だなんて人聞きの悪い事を」
さらりと返すのはリコ。
「でも、見た所普通のミックスジュースですよ? 市販のものですし…」
リクから受け取ったペットボトルをセリアが確認するが、特に怪しいところはない。
「そりゃそうだけど…」
「封は…開いてないわね」
今度はフィアがキャップを軽く捻る。
「信用ないですね」
「あんな物入れといてよく言うよ…」
「そういえばこのミックスジュース、5000万本に1本の割合で『当たり』があるみたいですよ」
セリアが言うと、
「当たり…?」
「ええ…ただ、その内容は一切知らされていないので、不明のままなんです。製造元しか知らないそうですよ」
「うわー、胡散くさー…しかも途方もない数」
「とにかく、安全だと思いますよ、多分」
「なら、いいけど…」
フィアはボトルをテーブルに置いた。
「それじゃ、せっかく持ってきていただいた事ですし、みんなでいただきましょうか。ちょっと、グラスを持ってきますね…」
「あ、はい。お願いします」
「そういえば、同じメーカーの野菜ジュースを昨日セリアが買ってきてたな…まだ飲んではねーけど」
「わざわざそれを言いますか…まぁ、種類が違いますから問題ないでしょうけど…」


「…と、これで全員に行きわたりましたか?」
各々グラスを持つが、その時、
「あ、電話だ…先に飲んでていいぞ」
電話の呼び出し音が鳴り響き、リクは電話のある部屋へと消えていった。
「リクもああ言ってる事ですし、先に飲んでしまいましょうか」
「え、でもリクさんを待った方が…」
「別にいいんじゃない? 待たなくて。本人がああ言ってるんだから」
「は、はぁ…」
「それじゃ…」
セリア、フィア、リコの3人が同時にグラスに口をつける。
「あ、結構美味しいですねこれ」
「さっぱりしていて、飲みやすい感じがするわね」
「好評みたいですね」
3人が話していると、
「待たせたな。セールスの電話だった…って、もうグラスの中ほとんど飲んでる」
「リクさん、これ美味しいですよ。さ、リクさんも…」
「甘すぎず、飲みやすかったわ」
「ほら言ったでしょう? 何もないって」
しかし、口々にジュースの感想を述べる3人に対して、
「……え?」
リクはというと、混乱顔。
「どうしたんですか? リクさ……」
そこまで言うと、
「え?」
「え?」
「え?」
ジュースを飲んだ3人が、それぞれ顔を見合わせ、同時に叫ぶ。
「「「目の前に私がいる!?」」」



「…まず、状況を整理するぞ。今の状況を簡単に表現すると…」
しばらく腕を組んで何事か考えていたリクは、3人を順に見てから、
「要するに、今は3人とも、体と中身が全くの別人な訳だ。でもって、今は、どれが誰か、だ」
そしてもう一度3人を見て、
「取りあえず、1人ずつ確認していくしかないな。まず、セリアは…」
「あ、私です…」
手を挙げたのは、中身だけセリアになっているリコ。
「…セリアがリコになってるって事は、当の本人は今は……」
「ここです」
続いて手を挙げたのはフィア。しかし中身がリコ。
「という事は、残ったフィアは…」
「ご覧の通り、姿が完全にセリアね」
「…なんかややこしくなってきたぞ」



※これより先は、入れ替わった3人について、地の文においては「中身(外見)」で記述。
(登場キャラが相手を呼ぶときは適用なし)



「まさか、3人それぞれ外見と中身が入れ替わってしまうなんて…」
フィア(セリア)がソファに腰を下ろす。
「原因に心当たりは…と聞くまでもないですかね」
リコ(フィア)は、テーブルの上に置かれたグラスを見る。
「明らかにこれしかねーだろ」
リクはまだ中身の残ったペットボトルを手に取った。
「あの、これは私の個人的な考えなんですけど」
セリア(リコ)が前置きしてから、
「このミックスジュースの『当たり』の内容って…この事だったのでは…?」
「そうとしか考えられないわね」
フィア(セリア)が頷く。
「5000万本に1本が当たるなんて、もしかしたら私は何か『持ってる』かも知れませんね」
「しゃあしゃあと…」
事も無げに言うリコ(フィア)にリクは呆れて呟いた。
「…てかさ、それ飲んで入れ替わったなら、もう一度飲んでみればよくね?」
「そう上手くいくものだといいけど」
リクの提案にフィア(セリア)が答えるが、セリア(リコ)は、
「でも、リクさんの考えはもっともだと思いますし、ちょっと試してみましょうか」
言いながら既に、それぞれのグラスにミックスジュースを注いでいた。
「…正直、私もフィアさんと同じ考えなんですけど…そう上手くいきます…?」
リコ(フィア)がセリア(リコ)に聞くと、
「こういう時のリクさんの提案は、結構当たりを引く時があるんです」
「は、はぁ……」
「…うーん」
「?」
フィア(セリア)が唸り声をあげて渋い顔をして何か考え込んでいるリクに、
「何か気になる事でも?」
「……ダメだ、違和感半端ない」
「違和感…ですか?」
「中身が誰か分かってるからまだいいけど、それでも普段とのギャップがあって違和感半端ない」
「そうですね…確かにちょっと混乱してしまいますね…とにかく、さっきのリクさんの案を試してみましょう」
「…本当にやるの?」
「上手くいかない気しかしないんですが…」
セリア(リコ)が他の2人を促したが、残り2人の表情はというとまだ疑いの色が濃く出ている。
「……どうしましょうか」
「まぁ、一応試すだけ試してみるということで…」
「では、入れ替わった時と同じように、同時に飲みましょう。じゃ、いきますよ…」
セリア(リコ)の合図で、3人が同時に飲み干す。
「……で、どうなんだよ」
「戻ってませんね」
リコ(フィア)が一言。
「だから言ったでしょう」
フィア(セリア)も続く。
「ダメでしたね…もしかしたらと思ったんですが…」
「自然に戻るのを待つしかないのかねー、これは」
「それもそうですね…ここは落ち着いて、気長にいきましょうか」
「切り替え早いわね…」
セリア(リコ)の切り替えの早さに、フィア(セリア)は感心と呆れの両方入り混じった気分になった。


「しかしこうして見ると…なんていうか」
リクは、セリア(リコ)が淹れたコーヒーを一口飲むと、
「外見と中身がこうも変わると調子が狂う」
「私も最初は驚きましたけど…結構動きやすいですよ、この服装」
セリア(リコ)が立ち上がると、軽くジャンプを数回したり屈伸したり。
「私も、フィアさんのこの服装は結構動きやすいと思います。黒が何かカッコいいですよね、フィアさんの服装」
「…で、当のその体本来の持ち主の、自分を他の視点から見た感想は?」
同じくコーヒーを飲んでいたリコ(フィア)にリクが聞いた。
「なんと言いますか…今後も、私の仕事の時だけ入れ替わりません?」
「セリアの気配り上手は群を抜いてるものね…」
「あ、でもいつもセリアさんがやってるようなリクへの接し方は入れ替わってる時にはやらないでくださいね」
「……だったら入れ替わりたくないです。元の方がいいです」
セリア(リコ)が不満そうに言った。
「フィアさんはフィアさんで…何だか、普段のセリアさんと真逆のイメージになりますね」
リコ(フィア)がフィア(セリア)を見て言った。
「私としては何と言うか……いつもより体が重く感じるわね」
「それは…ほら、セリアさん立派な物をお持ちですし…」
「え、その…あの…」
「ほら、リコ。困らせるんじゃないの」
フィア(セリア)がたしなめた。
「この際なので…少しだけ触らせてもらおうかと…」
「ダメに決まってるでしょ!?」
リコ(フィア)が近づくと、フィア(セリア)が一喝。
「残念です…触り心地よさそうなんですけど…」
「はぁ…」
既にコーヒーを飲み終えていたリクは、溜息をつきつつ今度は自分で淹れてきたお茶をすすっている。
「体が私で中身がフィアさんになると、年上お姉さんに変貌しますね…」
「あまり違和感ないですね」
「あんなに性格キツいセリアはオレは正直遠慮したい。それに…」
リクはセリア(リコ)を指差し、
「その姿で中身がセリアというのに相当違和感ある。逆に怖い」
「何ですかそれ。それじゃまるで普段の私が悪者みたいじゃないですか」
「でも…どうしましょう。このまま元に戻れなかったら…」
「取りあえず、リクは中身がフィアさんなセリアさんに厳しく指導してもらうとして…」
「勘弁してくれ…」
「私とセリアさんはそれぞれ、フィアさんの家と私の家に…」
「もうどうとでもなれ…」
リクは半分諦めモード。
「大丈夫ですよ。きっと、元の姿に戻って見せますから。ね?」
セリア(リコ)がリクの前にやってきて言った。
「だからその姿でそういう事言われると違和感が…」
リクが言った途端、入れ替わっている3人が、
「あ…」
「なんだか…体が…」
「体が…熱く…」
「おいおい…大丈夫なのかよこれ…」
苦しむ3人を順番に見、しかし何もできずな状態。
「……あ、どうにか落ち着きました」
「何だったのかしら…」
「急に体が熱くなって…… え?」
そして、自分の体に触れ、
「戻ってる…元に戻ってます!」
セリアとフィアの方を振り向き、リコが言った。
「やっぱり、自分の体の方がいいわね…痛感したわ」
「一時はどうなる事かと思いました…」
「はぁ…疲れた…」
リクは本当に疲れた表情で自室へと向かう。
「本当に人騒がせね、このジュース…」
「何だか、疲れてしまいましたね…コーヒーももうないですし、何か冷たい物でも飲みましょうか」
セリアがキッチンへ向かう。
「ええと……あ、これしかない…」
戻ってきたセリアの手にあったのは、
「すみません、これしかなかったです…」
「これ…さっきのミックスジュースのメーカーと同じところの…」
「でも、該当商品は確かあれだけだったはずですし、大丈夫なはずですよ」
「この野菜ジュース、リクさんがよく飲むので買ってあるんです」
セリアがグラスに野菜ジュースを注ぐ。
そして、最初と同じ様に3人同時に飲んだ。
時を同じくして、
「何か喉乾いたな…」
自室に戻っていたリクが再びやってくる。
「リ、リクさん!」
「……え」
言葉を失ったリクの目に前には、
「また見た目と中身が入れ替わってしまいました!」
「今度はフィアの中身がセリアかよ!?」
ちゃっかり胸に顔を埋めて泣くフィアの姿をしたセリアを宥めつつ、
「で、他の2人は…」
「今度は私がセリアさんの体になって…」
「そして私がリコの体になったわ… そ、それよりセリア! 私の体でそんな事しないでもらえる!?」
「す、すみません、つい癖で…」
(セリアさんが私の体にいる時にその癖が出なくてよかった…)
「…凝りもせずまた飲んだのかよ」
「いえ、私達が飲んだのは…」
セリア(フィア)が指差したのは、
「あれは…オレがよく飲んでる野菜ジュース…おいセリア、あれ買ったのって…」
「はい、昨日ですけど…」
「ちょっと待ってろ」
リクはそう言うなり、自室へ向かう。
5分ほどして、また戻ってくると、
「今ネットで調べたら…期間限定で、昨日店頭に並んだそのメーカーの商品、同じ確率で当たり付き」
「という事は…」
「あの低確率が、また当たってしまったという事になるわね…」
「勘弁してくれ…」


「時間経過で戻るのが救いといったところですかね…」
リコ(セリア)が言った。
「その間にどれだけ疲れる思いをする事か…」
自分は巻き込まれたくないのか、今度はリクは水を飲んでいる。
「そういえば、自分がこの体になってみて改めて分かったんですけど…」
セリア(フィア)が切り出す。
「フィアさん、かなりスタイルいいですよね」
いきなりの言葉に、再びコーヒーを飲んでいたフィア(リコ)が咽る。
「そうですね…何と言うか、簡単に言うと『出る所は出て引っ込む所は引っ込んでる』というか」
「い、いきなり何を言いだすのよ!?」
「私もセリアさんの体になってみて、さっきフィアさんが言っていた事がよく分かった気がします…」
「す、すみません…」
「……でも、触り心地がとてもいいです」
「もう勝手にやってろ…」
リクは目もくれず、テレビを見始める始末。
「…なんだかリクさん、冷たいです」
「まぁ…フィアさんの外見で中身がセリアさんですからね…全く正反対ですから、調子も狂いますよ」
「と言うか、中身がセリアのケースは両方とも調子が狂う」
テレビを見ながらリクが返した。
「お2人とも、今後はリクさんに親切にしてあげないと駄目ですからね」
「……逆に、セリアがリクを甘やかさないようにした方が簡単な気がするのは私だけかしら」
「大丈夫です、私も同じ考えですから」
フィア(リコ)とリコ(セリア)が反論する。
「甘やかしてるだなんて……私はただ普通に接しているだけです!」
セリア(フィア)も負けじと返す。
「…別の部分で普通じゃないけどな」
リクがぼそりと言った。
「なんでセリアはリクみたいなのがいいのかしら…さっぱり分からないわ」
「私も同感ですね…」
「では、逆にお聞きしますが……どうしてリクさんではダメなんですか?」
フィア(リコ)とリコ(セリア)の言葉に、セリア(フィア)が聞き返す。
「それは……何と言うか……」
「その…人としてはちょっとどうかと…」
「それはあくまでも、お2人の視点からではの話ですよね? 私はそうは思っていませんよ」
セリア(フィア)はさらに続ける。
「私から見れば、とても素敵な方だと思いますけど…」
「……セリア」
フィア(リコ)が口を挟む。
「はい」
「……あなたがそう思うのは勝手だけど、せめて私の姿じゃない時に言ってくれないかしら、それ」
(助かった…)
「今どこかから『助かった』という声が聞こえたけど?」
「き、気のせいです気のせい!」
フィア(リコ)に睨まれ、リコ(セリア)は何度も首を横に振った。



(……言われるなら、あの姿のままが一番……って、何考えてんだかオレは)



                END






はい、書きました。

このお話のネタは、元々は今年のリコさんの誕生日の時に書こうとしていたネタ候補3つのうちの
1つだったりします。
結局今年書いたのは候補3つの中からメガシンカのお話になった訳ですが、
「中身入れ替わりネタ」があったという話をしたところ、「書きましょう」と言われてしまったので、
せっかくだからという事で書いてみました。
書いていて思ったのは、文章だけだとそうでもないんですけど、
実際に場面を想像しながら書いてみると、相当カオスになったって事ですね(ァ
特に中身が嫁になった場合((

ちなみに、前述のように元は誕生日向けに考えていた事もあって、
ジャーナリストも登場しています。
当時書けなかったのは「誰の中に誰の中身がいくか」がまとまりきらなかった為と
いうのがあったのですが、「じゃあ2パターン両方やっちゃえ」という事に
後から気付いた為、こうなりました。
デレツンとジャーナリストが自分に対して優しくなるのは調子が狂ってしまうようです(ァ
繰り返すようですが、ぜひ、状況を想像しながら読んでみてください。相当カオスな事になります。



もう1つのネタは…やるかはわかりません。
パラレルネタは…これもやるかはわかりません((
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